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外集団均質化効果の原因と影響 。ステレオタイプの解消に向けて

投稿日:2019年10月25日 更新日:

前回の記事では、人間はステレオタイプを形成しやすい性質があることを説明しました。この認知傾向に注目した研究の一つに外集団均質化効果があります。

私たちは社会生活を営む中で、自分が含まれる「内集団」と、自分が含まれない「外集団」を形成します。そして、内集団と外集団を分けることで、それぞれの集団に対する印象の違いを生じさせます。その理由の一つとして挙げられるのが外集団均質化効果というバイアスです。

この効果は私たちの社会生活においてどのように働いて、世の中にどのような影響をもたらしているのでしょうか。

今回は、外集団均質化効果の原因や影響について紹介します。

外集団均質化効果とは何か

外集団均質化効果とは、 自分が属する内集団には、多様性・複雑性があると認知するのに対して、外集団については、皆似通っているように考える傾向のことです。例えば私たちは自分が女性であれば「男性はみんな○○だ」、自分が男性であれば「女性はみんな○○だ」というように、外集団の人たちは「皆同じ」と思いやすい傾向があります。

外集団均質化効果の原因

外集団に対してこのバイアスが働く理由は何でしょうか。

原因①: 知識量の差

まず最も単純な説明として考えられるのは、集団間の知識量の差です。内集団成員はよく知っているのでその多様性に気づくが、外集団成員はあまり知らないために一様に見えるというものです。実際、具体的な事例をどれくらい知っているかによって、対象集団に関する認知の分化の程度に違いが生じることが分かっています。

しかし、お互いの集団の成員同士が多く関わる集団間でも、外集団均質化効果は見られます。例えば男女では、いくら異性に対して知らないことや誤解があるとはいえ、相手集団全員の行動が皆同じに見える原因になるほど、熟知度が低いとは考えられません。しかし、このような集団間でも、外集団均質化効果の影響は見られました。

原因②: 情報処理の様態

外集団に対する知識があるにも関わらず均質化効果が働くことから、内集団と外集団では情報処理のされ方に違いがあることが考えられます。外集団に対しては、情報を入力する段階で、はなから抽象的な集団レベルでの印象形成が行われているのに対し、内集団に関しては、より再分化した個別的な処理が行われます。

相手がどんな人物か判断する際、その人の属しているカテゴリーが認知に影響を及ぼしますが、相手のどのカテゴリーが自分にとって情報価値を持つのかは状況によって異なります。

例えば、私たちが外国人を見るときと日本人を見るときでは、注意を払う集団カテゴリーの種類は異なってきます。外国人に対しては「国籍」という集団カテゴリーの情報が意味を持ちますが、日本人同士の場合は国籍は共通であるため、カテゴリーの情報として大した価値を持ちません。その場合は、出身地や所属などのもう少し下位レベルのカテゴリーに注目することになるでしょう。

このように、外集団均質化効果の原因としては、蓄えられている事例の数よりも、内集団・外集団に対する情報処理の様態の違いの方が重要であると考えられます。

外集団均質化効果の影響

外集団均質化効果は実生活にどのように影響してくるでしょうか。

内集団よりも外集団の多様性を少なく見積もるこの効果は、人の個性を見えづらくしてしまいます。集団を一括りにして個性を無視したステレオタイプを人に押し付けることはトラブルの原因になります。

例えば、
・黒人はみんな怖い
・B型の人は自己中だ
・女性は家庭に入るのが幸せだ
などといったステレオタイプ。

当てはまらない人も多くいるにも関わらず、そういうものだと決めつけてしまうことは危険です。人を傷つけたり、差別にもつながります。

ステレオタイプや偏見が形成されやすい傾向、外集団均質化効果などのバイアスは、無意識のうちに作用しています。そのため、私たちは気づかないうちに、偏見や差別的な言動をしている可能性があります。

「やっぱり女は運転が下手だ」「やっぱり低学歴の人は頭が悪い」など、内集団の人が同じことをしても気に留めないにも関わらず、外集団の人のステレオタイプに当てはまる行動を見ると「やっぱりそうだ」と考えてしまうことがあります。

性差別、人種差別、年齢差別、LGBT差別など、あらゆる集団に対して外集団均質化効果は影響しています。差別や社会問題の多くは、このようなバイアスによって強化されたステレオタイプが原因で起きています。

ステレオタイプ・偏見の解消に向けて

一度作られたステレオタイプや偏見を変えたり消したりすることは、人間の心のしくみから考えると、とても難しいです。

ステレオタイプや偏見を低減させるために、共同作業や共同学習、教育によってバイアスを修正できる可能性について研究が行われていますが、これをすれば解消できる!という解決策はありません。

偏見や差別を少しでも緩和して、生きやすい世の中を作るためには、こういった人間特有の心理傾向があることを知り、属する集団に関わらず多様性を理解しようとすることが大切なのだと思います。そういう意識を持つ人が増えていくことで、少しずつ変わっていくしか道はないのではないかなと思います。

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ゆきだるま

愛知県出身、フランスワーホリ中の1991年生まれ。旅と読書と編み物が趣味。大学の専攻は社会心理学。日本の伝統文化や植物の力(オーガニック、アロマ)に興味があります。好きな言葉は適材適所。世の中の偏ったステレオタイプをぶっ壊したい。外注ライターをしながらブログ執筆中。もっと詳しく見る